ランドセルの購入価格の平均は年々上がっており、2015年頃まで平均価格は4万円前後といわれていましたが、2021年のランドセルの平均購入価格は55,339円(※1)でした。
といっても、これはあくまで平均相場。
格安系のランドセルであれば2万円前後で、テレビでおなじみのメーカーや百貨店のランドセルなら平均相場が6万円前後です。
さらに高級な牛革やコードバンを使用したものになると10〜20万円のランドセルまであるのが昨今のランドセル業界です。
この記事ではランドセルの時代によっての価格の推移と、どんな価格帯があるか、値段によって何が違うのか、激安ランドセルを買うときの注意点をまとめています。
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ランドセルの相場は?今と昔、値段の推移
初めてランドセルを買おうとしている方は「ランドセルって昔からこんなに高かったの?」と思うでしょう。じつはランドセルは昔から高級品でした。
そして、ランドセルの価格は物価とともに年々値上がりしているんです。
下グラフはランドセルの平均価格の推移データをグラフにまとめたものです。
1955年(昭和30年)あんぱんが1個12円だった時代ですが、ランドセルは2,500円という高級品!
1975年(昭和50年)大学初任給が9万円弱の時代には、ランドセルは10,000円に。
その後バブル期に35,000円程度をキープし、バブル崩壊後に30,000円程度に。
ここ数年でまた価格が上昇しており、2014年(平成26年)には42,400円となっています。
(※ランドセル工業会調べ http://www.randoseru.gr.jp/history/kakaku.html)
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ランドセルが高級化・高価格化している理由
最近になってランドセルの価格が高くなっている理由は、主に次のようなものがあります。
- サイズの大型化、原料費の高騰
- 少子高齢化の影響で世帯あたりの子供の数が少なく、子供1人に使える金額が増加している
- 共働き家庭が増加しており、世帯所得が上がっている
- お金に余裕のある祖父母世代が入学祝いとしてプレゼントするのが定番化している
- 多様化するニーズ、オーダーメイドなどに対応することで多品種を少量生産している
まず、ランドセルのサイズが以前のB5からA4へと大型化していることで材料費が増加したことに加え、原材料が高騰していることが挙げられます。
サイズについて大きさもですが、じつは以前のランドセルより厚みも増しています。
こちらは池田屋ランドセルの画像ですが、月曜日の小学生はこんなにも荷物があるんです。
安全に通学できるよう、手ぶらにさせるために「大きく広がる」ランドセルも増えてきているというわけです。
また、子どもや保護者の好みに合うよう、多色展開、コードバンなどの高級素材の使用、人気ブランドとのコラボ品、刺繍やスワロフスキーなど華美な装飾などを盛り込んでいくと、どうしても高価格化してしまいます。
一例として、こちらはセイバン天使のはねの人気モデル「モデルロイヤルレジオ バロック」(定価は75,600円)ですが、型押しや刺繍、飾り窓、内張りのデザイン、鋲のデザインも細部までこだわって作ってあります。
※ランドセルが単一品種から多品種へと変わる流れは、セイバンの社長のインタビュー記事(http://news.livedoor.com/article/detail/12985540/)がとてもわかりやすかったので、興味があるかたはぜひご覧ください。
ランドセルの価格帯
ランドセルの相場は、大きく分けると次のような価格帯に分かれています。
価格帯 | ランドセルメーカー | |
---|---|---|
低価格帯 | 1万円台~ | Amazonブランドやニトリのランドセル、ほとんどが中国製 |
2万円台~ | 工場直仕入れの低価格なネット通販メーカー、イオンの低価格モデル | |
人気の価格帯 | 3万円台~ | イオンやヨーカドーなどのプライベートブランド、大手メーカーの標準モデル、日本国内で製造されている |
5万円台~ | 大手メーカーの上位グレードやオーダーメイド、工房系メーカー、百貨店コラボメーカー | |
個性的・高級志向 | 8万円前後 | 大手メーカーや工房系メーカー。素材が牛革、コードバンなど高級なもの |
10万円~ | 工房系の中でも数量限定のハイグレードブランド。職人による手縫い |
この中でもよく売れているランドセルの価格帯が3~6万円のものです(平均5万前後)。
またランドセルに可愛いデザイン、おしゃれなデザインを求める方には8万円前後のいわゆる工房系ランドセルが人気です。
ただ、ランドセルは小学校の6年間使うものなので、丈夫で壊れにくいもの。または6年間の品質保証がついたランドセル。そのどちらかから子供が気に入ったランドセルを購入する人が多いようです。
(※ランドセル工業会調べ)
ランドセルの値段と性能は比例する?違いは?
ランドセルの平均価格は4万円台といっても、市場には1万円台から10万円以上のものまで様々なランドセルが売られています。
これらの価格の違いと品質にはどのような関係があるのかをまとめてみました。
平均以上なら基本性能はかわらない
ランドセルの機能としては、3万円後半からはほぼ同等の性能となっています。
- 背負いやすい・おろしやすい背カンが使われている
- 軽く背負える工夫がされている肩ベルトになっている
- 型くずれを防ぐための補強材がしっかりしている
- 背当ては通気性の良い素材が使われている
- 数種類から色が選べる
このような部分には大きな差はありません。
つまり、最低限の機能があれば良いという方は3~5万円の普及品のランドセルで全く問題ないでしょう。
「フィットちゃん」のハシモト。
「ふわりぃ」の協和が3社が大手メーカーよ。
ランドセルの大手3社
- セイバン:天使のはね
- ハシモト:フィットちゃんランドセル
- 協和:ふわりぃ
高級ランドセルと格安・激安のランドセルの違いは?
1万円台の安いランドセルと、大手メーカーのランドセル、そして最上位の工房系のランドセルでは、品質にどんな違いがあるのでしょうか。
ランドセルの値段の違いは、主に素材。そして製法により変わってきます。
価格帯ごとに詳しくご説明しましょう。
1〜3万円台のランドセル
2万円以下の安いランドセルは、安い人工皮革の中でも最も安いものを使い、人件費の安い国で機械で大量に生産しています。
それにより低価格で発売することができるわけです。
ただ、製法や人工皮革の安いものを使っているため高いものと比べると耐久性ではかなり落ちます。
3万円台のものは、工場から直接仕入れる、ネットのみで販売するなど、様々な点でコストを切り詰めたランドセルです。
こういったランドセルの場合、値段の割に物は良いのですが、好きな色が選べなかったり、ちょっとした傷があったりします。
4〜7万円のランドセル
4・5万円の平均価格帯のランドセルはテレビCMでよく見かけるランドセルです。
装飾はシンプルで、大量生産が可能な人工皮革(クラリーノなど)が使われています。
先ほど紹介したように、機能的にはこの価格帯以上はほとんど変わりません。
耐久性も十分で、6年間の修理保証などもついているのがこの価格帯からです。
6・7万円台のランドセルは、一般的なメーカーのハイブランド品であり、デザインや装飾が豪華なものや、他ブランドとのコラボ商品、また素材が牛革、ときにはコードバンが使われていいます。
ハイブランド品は販売数が少なく、最初に売り切れていくのがこちらのランドセルです。
8万円以上のランドセル
8万円前後のランドセルの多くは、工房系と呼ばれる鞄専門メーカーで発売されるランドセルで、基本的に牛革、ヌメ革、コードバンなどの希少な天然皮革が使用されています。
また手縫いにこだわり、縫合は丈夫で長持ち、そして壊れにくい作りとなっています。
購入される方は、メーカーの鞄を愛用している方や、自分もそのメーカーのランドセルを愛用していた方、子供や孫に小さい頃から「本物」を使ってもらいたいという方に根強い人気があります。
ちなみに、高級なランドセルほど、刺繍や装飾品・鞄の内張り・ブランドロゴ(コラボ商品)がシンプルで飽きがこないようなデザインとなっています。
これはランドセルが6年間使うものだからです。
買ったときは流行りのデザインでも6年後には時代遅れになっているかもしれません。
そういったことを踏まえてシンプルで高級感のある普遍的なデザインとなっています。
ランドセル各メーカーの価格・相場一覧
代表的なランドセルメーカーのランキング上位に入っている「売れ筋ランドセル」の価格相場をまとめてみました。
各メーカーのリンクは、メーカーごとのランドセルの特徴や口コミなどを紹介したページです。
ランキングが見たい方は下記よりごらんください。
[男の子のおすすめランドセル|女の子のおすすめランドセル]
製造メーカー | ブランド名(モデル名) | 価格(税込) |
---|---|---|
セイバン | 天使のはね(モデルロイヤルベーシック) | 59,400円 |
協和 | ふわりぃ(ロイヤルコレクション) | 53,460円 |
ハシモト | フィットちゃん(プレミアムふぃっとちゃん) | 57,240円 |
池田屋 | ベルバイオ(スムース カラーステッチ) | 54,000円 |
イオン | かるすぽ(FLATCUBE) | 54,000円 |
鞄工房 山本 | ラフィーネ | 69,000円 |
土屋鞄 | 牛革ベーシック | 65,000円 |
萬勇鞄 | ラッフル | 60,480円 |
黒川鞄 | コードバン ベーシック | 98,000円 |
セイバンやフィットちゃんといった大手メーカーでは5~6万円前後が相場で、土屋鞄、黒川鞄などの工房系は6~10万円が相場のようです。
※工房系のランドセルはコードバンや牛革のほうが人気が高いため、価格が高めになります。
ランドセルを購入するなら公式サイトがオススメ!
どんな価格帯のランドセルも購入するなら、各メーカーの公式ホームページで買うのがオススメです。
デパートや小売店はもちろん、楽天やAmazonなどに比べて値段が安く、さらにオリジナルの購入特典が付いているからです。
例えば、フィットちゃんの公式サイトで買うと定価から10%OFFで購入できます。さらに、筆箱やLEDライトなど6つも特典がついています。
どちらでランドセルを買うにしても公式サイトは一度のぞいて特典などを確認しておいたほうが良いでしょう。
工房系には10万超えの超高級ランドセルも!?
参考までにですが、鞄工房山本や土屋鞄、黒川鞄といった工房系のメーカーには超高額ランドセルもあります。
鞄工房山本にはコードバンに特殊な染め方をした「オールコードバン 夢こうろ染モデル」169,000円というランドセルが。
土屋鞄にも最高級コードバンをイタリアでなめした「軽井沢モデル」140,000円という高額モデルがあります。
そして、黒川鞄にはクラフト・ランドセルの最高蜂「匠・日本」シリーズに「長冠鞄コードバンプレミアム」170,640円というランドセルがあります。
いずれも年間数十個の限定生産品で、9月・10月には売り切れてしまうほど大人気です。
さらに、黒川鞄では役目が終わったランドセルを、ミニチュアのランドセルかペンケースにリメイクしてくれます。せっかくいい革を使っているのですからこれは嬉しいですね。
「皮革のダイヤ」と呼ばれるコードバンのランドセルが気になる方は、一度ラインナップを見てみましょう!
匠の技が光る自然な美しいシルエットにも注目ですよ。
どうしても安いランドセルが欲しいならニトリか澤田屋
相場は5~6万円といっても、現実問題そんなに余裕がないな、という場合は激安・格安ランドセルも視野に入れて検討しましょう。ただし、ランドセルは「安かろう悪かろう」の粗悪品もありますから、選び方には注意が必要です。
ここでは、激安のランドセルを選ぶときのポイントをまとめておきます。ぜひ参考にしてくださいね。
1万円台のランドセルは避けたほうが無難
ランドセルにはお金をかけたくない場合ですが、1万円以下や1万円台のものは、6年間の使用に耐えうる強度があるのか?素材がみすぼらしい(明らかに安っぽくペラペラ)、質感が悪くないか?壊れた時の保証は?など、不安な点が多くあります。
せっかく買ったのに、子供にみじめな思いをさせたり、ランドセルが原因でいじめられるような事があっても困ります。
よほどの事情がない限り、あまりに安すぎるランドセルは避けたほうが良いでしょう。壊れて買い直すとよけいに高くつきます。
2万円台ならニトリか澤田屋がおすすめ
どうしても安いものがほしければ、最低限の品質で人気も高いニトリのランドセルか、高品質なのに低価格の澤田屋のランドセル(ネット通販限定)を選べば安心でしょう。
どちらも6年間保証付きで、修理が必要になった場合はかわりのランドセルの貸出があります。
ニトリのわんぱく組は22,000円(税込)と低価格ながらも、かわいい色とシンプルデザインで人気があります。種類は6種類。実店舗へ行けば実物を手にとって試着もできるのが良いですね。
ニトリはいかにも安っぽい(それに、みんなが安いって知っている)のでちょっと抵抗あるな…というなら、インターネット通販限定の澤田屋ランドセルがおすすめです。
アウトレットシリーズなら21,000円(税込)6種類、プレミアムラティブシリーズなら29,800円(税込)8種類からあり、デザインもおしゃれでこだわりがあります。
澤田屋は製造工場から直接仕入れ、店舗なしでインターネット通販のみ。店舗運営費用・宣伝広告費用などを極限までおさえることで、高品質なランドセルを低価格で販売できています。
まとめ
ランドセルの平均価格帯は4万円ですが、工房系や、プレミアムモデルを選ぶと6万円以上になってしまうランドセル。決して安いお買い物ではありませんが、6年間使うものだから、と奮発する親御さんやおじいちゃん・おばあちゃんが多いようです。
とはいえ、何かと物入りなこの時期ですから、なるべく出費はおさえたいというのもあります。学校によっては、高学年になるとランドセルを背負わないでリュックになるところもありますし、ある程度【予算】を決めて、その枠の中で選ぶのも良いと思いますよ。
高級志向になっているランドセル業界ですが、お値打ち価格のモデルも多数登場していますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
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